ご担当者|経営管理部 給与厚生室 真野明弘様(写真左)/田邊郁恵様(写真中央左)/柴田早紀様(写真中央右)/浅野真知様(写真右)しずおかフィナンシャルグループは、2022年10月に設立された、静岡銀行などを傘下におさめる金融持株会社で、銀行業務のほか、リース業務および金融商品取引業務などの銀行業務以外の金融サービスにかかる事業も行っています。持株会社体制へ移行する前の2021年7月からカロママ プラスをご利用いただいており、今回のインタビューではご導入に至った決め手やご利用に際しての使用感などについて伺いました。[取材日:2024年8月28日(水)/インタビュアー:株式会社Wellmira 松浦成美]カロママ プラス導入以前の福利厚生や健康面での課題について―まずは、カロママ プラスを導入される前、福利厚生や従業員様の健康面で感じていらした課題について教えてください。田邊氏:静岡銀行は2022年10月に持株会社に移行したわけですが、グループ全体で平等に使える福利厚生施設がなかったり、雇用形態によって利用できる制度に偏りがあったり、全員が同じような形で使える福利厚生に課題を感じていました。健康面では、2017年に健康経営宣言を制定しましたが、従業員が自分で健康を意識するための動機づけになる具体策を模索していたという状況です。真野氏:健康面の課題としては、当時は、会社に来て仕事をすることが生活の中心になり、自分の健康がニの次、三の次になってしまい、あまり自身の健康に目を向けている従業員が多くないのかなという印象がありました。それがアプリをはじめとした健康面に関する諸施策を導入していく中で、徐々に自身の健康に目を向けることが浸透してきたという状況ですね。カロママ プラスを導入して導入の決め手は、他の施策とのマッチングや自由度―いろいろなサービスを見て検討されたと思いますが、最終的にカロママ プラスを導入に至った決め手を、教えていただけますか? 田邊氏:複数の候補があった中で、アプリだけではなく、それに連動したカフェテリアプランを導入しており、その連動性の高さや、企業独自の取り組みの自由度などが導入の決め手になりました。真野氏:例えばカロママを一生懸命使い、ポイントの蓄積に応じて健康を実感することもあると思いますが、それだけでは動機づけに弱いかなという面がありました。一方、貯めたポイントをカフェテリアポイントに利用できれば、自身の健康に投資したものが、自身に返ってくるサイクルが生まれると考えた際、一番カロママ プラスが使いやすそうだと思ったのが、導入を決断した一番の理由ですね。また、カフェテリアポイントの使用にあたっては、当社グループと取引いただく施設や店舗などにポイント還元できれば、地域のために貢献できているという実感が生まれ、健康だけにとどまらないアプリとして活用してもらえるという思いもあります。―今の“ポイントの自由度”の話について、どのように独自のポイントを設定されているかも具体的に教えていただけますか?田邊氏:例えば、参加ボタンを押してポイントがもらえる「職場体操」があります。これは、短時間でリフレッシュするための体操です。ほかにも、当社グループで契約しているスポーツ施設の利用、ボランティアへの参加にも付与しています。ボランティア活動については、グループ会社である静銀総合サービスが事務局を務める「小さな親切」運動も対象としていて、各地で実施されるボランティア企画に参加した場合にポイントを付与しています。また、自然災害への防災意識が高まる中、グループ役職員の勤務地域で地震が起きた時にも、冷静に判断し行動ができるよう、各地区の防災組織に参加をすることもポイントの対象としています。あとはストレスチェックの実施、献血への参加や、今日は笑顔になったなという日は自己申告で「スマイル」ポイントなどがあります。カロママ プラスの利用で貯めたポイントをカフェテリアポイントに―現在、ベネフィットステーションさんを使用されていますが、どのようにご利用されているのでしょうか。真野氏:カロママ プラスアプリとセットでベネフィットステーションのカフェテリアポイントの機能を運用しています。カロママプラスで貯めたポイントを、ベネフィットステーションで利用できるポイントに変換し、1ポイント1円としてベネフィットステーション上にあるサービスを利用できます。ベネフィットステーション上のメニュー以外にも、企業のオリジナルメニューをつけることができ、当社のお取引先の商品リストをメニューとして追加しています。―うらやましいです!真野氏:今、年間で5万ポイントまで上限を引き上げました。それ以外に、地域で使える1万ポイントというのもあります。田邊氏:他にも健康関連の資格取得で最大5000ポイント、ウォーキングキャンペーンでプラス数千ポイントなどもあり、最大で年間約10万ポイントになります。真野氏:当然、その原資は会社が出しているわけで、それだけの投資を通じて、従業員が健康で幸福になり、ウェルビーイングにつながることを願っています。―皆さん、ポイ活のように使ってくださっているような感じですね。どのような層の方がよく使用されているのでしょうか? 田邊氏:ポイント関係の情報を発信したときに、パート従業員の反応が一番早いかなという印象です。また、キャンペーン情報を発信すると、すぐに動いてくれるのは女性従業員の方が多いかなという感じがします。―使用範囲は、勤めている方全員が使えるというイメージでしょうか。 田邊氏:そうですね。外部からの派遣者は対象外になりますが、直接静岡銀行、しずおかフィナンシャルクループと雇用契約がある方は基本的に皆さん使えるようになっています。説明会や動画配信など登録増のためのさまざまな工夫―今アプリの登録者数が5600人ほどいらっしゃいますが、そこまで浸透するにはご苦労があったと思います。ぜひそちらも教えていただけますか?田邊氏:あくまでも任意という形で始めたので、じわじわと浸透していった感じでした。毎日みなさんが開く勤怠システムにアプリ登録情報を表示したり、定期的にアプリ未登録者へお知らせを発信したりしました。また、仕組みについての説明会を開いたり、動画を配信したり、活用事例として、カフェテリアポイントを何に使ったかという生の声を発信してもらうという企画も何回かやりました。口コミを聞いて始めた方も多く、じわじわ増えていったという印象です。一番登録者数が大きく増えたのが、2023年度に実施した「ウォーキングキャンペーン」です。本キャンペーンは、以前は平均8,000歩の達成賞をアプリのポイントにしていましたが、ダイレクトにすぐ使えるカフェテリアポイントに変更したことがインパクトとしては大きかったですね。また、アンケートに答えることでもらえるインセンティブポイントに関して、昨年は、回答するために一回カロママを通す仕組みを実施したことも、登録者の増加につながったと認識しています。 ―このアンケートに答えるためにまず登録させるっていうステップは、思い切ったアイディアだなと思いました。 ウォーキングイベント開催で登録が増加し、浸透を実感―いろいろやってくださって、皆さんに浸透してきたなという肌感はありますか? 田邊氏:問い合わせも日頃からありますし、ウォーキングキャンペーンを実施すると、その都度「今から登録をしたい」という問い合わせも結構きますので、かなり浸透してきているのではないかと思います。―ウォーキングキャンペーン期間に平均8,000歩の皆さんに3,000ポイントがもらえるのはすごいことですよね?田邊氏:この春からはチーム達成賞やチームランキングを加え、個人ランキングとチーム賞でそれぞれポイントが付与されるようになりましたね。真野氏:例えば個人で20位、チームで20位に入ると5,000ポイント付与されます。推進したい施策にポイント付与し、自社の取り組みの周知にも活用―実際にカロママプラスを導入していただいて、感じる良かったことなどありましたら、ぜひ教えていただきたいです。 田邊氏:アプリへの入力が習慣化されたことで、自身の食事や運動に対する意識が高まり、健康面での効果を感じているという人や、実際に10kg以上のダイエットに成功した人もいます。また、ウォーキングキャンペーンでは、常に自分の歩数やランキング、チームメンバーの歩数も分かるため、参加者がかなり増えています。これにより、仕事へのモチベーション向上や、チームの一体化など、そういった面にもプラスになったという声が寄せられています。―よかったです! 田邊氏:運用面では、オリジナルポイントの設定ですね。先ほど話しました地区の防災訓練など、企業として推進したい施策にポイントを付けられるので、取り組みを周知しやすいところもプラスになっていると思っています。 ―ウォーキングキャンペーンなどでエピソードは何かございますか? 田邊氏:ウォーキングキャンペーンの上位の方にインタビューをしましたが、平均歩数が3万歩というとんでもない人がいまして……。田邊氏:JRの一駅間を歩いていたとか。チームについても、「お昼休みの話題になった」、「課長や支店長がパート従業員と話す機会が増えた」など、職場の一体感の醸成につながったという声もあり、かなり盛り上がりを見せたなという感じですね。―実際にアプリ導入で10kg以上ダイエットに成功した方もいらっしゃるということですが。田邊氏:静岡銀行の人事相談室に、「アプリを導入してくれてありがとう」という声を寄せてくれた人が、アプリを活用しながら10kg痩せたと話していたそうです。ポイントの影響もあったかもしれませんが、純粋にアプリの良さを体感されていた感じですね。―ありがたいです。真野氏:歩く動機にはなるよね。1日8,000歩歩けば、毎日50ポイント付与されますし。―8,000歩で50ポイント付くのですね!やりたいです、私も(笑)。チーム戦ではチームごとで何か工夫されたことなどございましたか?田邊氏:やはり誰かが声をかけるのが一番大きくて、若手のリーダーが周囲に歩数を聞くなど、若手のパワーが発揮されたという声もありました。あとはチーム内で声を掛け合って、仕事中の移動は階段を使って、休日も動いてみんなで上位を目指そう……などというような一体感を感じられたチームもあったようです。音頭を取ってくれる人が自発的に出てくると、周囲の人たちも取り組みに共感し、支店長が主導して「一緒にやろう」と言ってくれた店舗もあったようです。個人や会社だけでなく、地域のウェルビーイング向上を―今後のカロママ プラス運用にあたりまして、展望や目標などがありましたら教えていただきたいです。真野氏:まずは、全員に使ってもらい、100%の利用を目指していきたいです。あとは自分のためでもあり地域のためでもあるので、積極的に活用してもらいたいという思いはありますね。田邊氏:従業員が自律的に健康管理をすることで、最大限のパフォーマンスを発揮し、個人と会社のウェルビーイング向上につなげていただきたいと思っています。働きがいもそうですが、仕事でプライベートを犠牲にするのではなく、個人がプライベートと仕事の両面において満足できる状態を会社として支援したいですね。個人が生き生きとやりがいを持って働いてくれることがパフォーマンスにつながり、それが会社の原動力になる。そこが生かされて会社と個人がウィンウィンの状態になることが目指すところだと考えています。今回の取り組み自体は地域にもつながっており、一部お取引先にも関与できるような仕組みを取っているので、会社として地域社会ともいい状態、ウェルビーイングの状態に持っていけるというのが一番理想だと思っています。真野氏:ウェルビーイングとエンゲージメント、しずおかフィナンシャルグループに勤めてよかったと感じながら生活してもらえれば一番いいかなという思いがあります。―ちなみにお取引先のものの購入や、サービスをご利用できるということでしたが、例えばどういうものにお使いいただけるんですか?田邊氏:地域の企業のあらゆるサービス、商品、宿泊施設というところが対象です。全部で200先くらいが使用可能リストとしてあります。―お取引先の方からしてもありがたいお話ですね。静岡銀行様の企業理念に、「地域とともに夢と豊かさを広げます。」とありますが、そこにもつながっていると思っておりました。真野氏:やはり地方銀行ですので、そこは常に昔から変わらずに掲げているスローガンですね。 アプリ利用の今後の課題は集積した情報の分析―ユーザー分析はいかがでしょうか。田邊氏:ユーザー分析がまだ全然うまく使えていなくて、本当は、数値の変化ですとか分析できたりするのですよね。―管理画面の見方などを改めてお伝えいたします。弊社の分析チームがデータを抽出し、レポートとしてまとめさせていただくこともございます。静岡銀行様は入力するといろいろなところでポイントが付くので、比較的入力されている項目が多いと思うんです。今後は効果検証など、ご相談させてください。本日はありがとうございました。 取り組みのポイントまとめしずおかフィナンシャルグループ様の取り組みについて、まとめてご紹介します。【カロママ プラスの導入】・2021年7月頃導入 / 登録人数5,708名(2024年11月現在)【カロママ プラスの活用】アプリで自動付与される食事入力等のポイントに加え、企業独自のポイントも付与職場体操、健診、がん検診、契約スポーツ施設利用、ボランティア参加、地域防災訓練への参加、献血、スマイル、歯科医による検診、ストレスチェック実施、ゴミ拾い、健診再検査対象外・受診、特定保健指導対象外・受診ウォーキングイベントを春・秋に開催達成賞としてカフェテリアポイントを付与アプリ上でインセンティブポイントアンケート実施非喫煙、非メタボ、健診結果を自身で回答することでポイントを付与【アプリ周知の際に工夫した点】仕組みについての説明動画の配信説明会の実施使用事例の共有未登録者への定期的な登録促進の実施2023年度に実施したウォーキングキャンペーンにおいて、達成賞を従来のカロママポイントではなく、即利用できるカフェテリアポイントとしたこと、またインセンティブポイント付与のためのアンケートをカロママ プラス経由で実施したことで、登録者が急増。